土曜日, 26.05.2012 22:30
 
 

地域

ドイツのノウハウを活かした建築

日本では、エコ建築やパッシブハウスへの関心が高まっている。これには、ドイツからの技術移転による貢献も大きい。詳細

東北地方 太平洋沖の 海底を調査

共同で震源域の海底を調査:日独の研究者は、巨大地震の発生過程を解明するため、日本の太平洋沖で調査航海を行った。詳細

ふたつの原発事故を比較

各国研究者が「フクシマ」とチェルノブイリを考察した詳細

エネルギーシフトのチャンス

日本再生可能エネルギー総合研究所代表の北村和也氏が、日本におけるエネルギーシフト、ドイツから学べる点などについて、インタビューで語る。詳細

最新情報

ドイツの各大学で日本週間(Japan Woche)を開催

研究者や学生による講演会、ワークショップ、情報フォーラム、会議、文化イベントなどが開催され、ドイツの各大学で4月半ばに日本週間がスタートしました。詳細

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学術

「今秋、大型シンポジウムを開催します」

2010年10月、「ドイツ科学・イノベーションフォーラム東京(DWIH 東京)」が活動を開始した。ドイツと日本の学術研究機関および研究重視企業の連携・交流を促進・深化することがその目的である。「DWIH 東京」のプロジェクト・マネージャーを務めるレギーネ・ディートとクリスティアン・ルーデルトにフォーラムの活動について聞いた。

ディートさん、ルーデルトさん、昨年、「ドイツ科学・イノベーションフォーラム東京(DWIH 東京)」が活動を開始しました。このプロジェクトが発足した理由と、その目標についてご説明いただけますか。

このプロジェクトが2009年にドイツ外務省によって立ち上げられた主な理由は、ドイツの学術研究機関と研究重視企業をひとつに束ね、総合窓口となるような組織を日本に設立すれば、両国間の協力は一層強化され、充実したものになるだろうとの判断にありました。「DWIH 東京」は様ざまな活動を通じて、この目標を実現していきます。日本で、ドイツの学術界・産業界が分野・部門の垣根を越えて一体的に行動するのは初めてのことです。「DWIH東京」はドイツの大学、研究機関、革新的な企業をひとつに束ね、“出会いの場”を提供します。具体的には、新たなホームページの開設などを通して日独の学術研究に関する各種情報を提供し、「DWIH 東京」のパートナー機関と共同で様ざまな催しを行います。「DWIH 東京」にとって最も重要なことは、ドイツの学術機関と革新的な企業が共に行動することによって日本での存在感を一層高め、その確固たる基盤に立って、日本の学術界・産業界との協力関係を一層拡大・深化させることです。

 

「ドイツ科学・イノベーションフォーラム(DWIH)」はアメリカ、ブラジル、ロシア、インドにも設立されました。日本を選んだ理由は何でしょうか。

日本とドイツの絆は、学術分野でも長い伝統があります。現在開催中の「日独交流150周年」のさまざまな記念行事においてもその点は度々強調されることでしょう。今日の日本は、世界的な「トレンドセッター」です。研究・技術革新の極めて盛んな国、ドイツの重要な貿易相手国でもあります。しかも、ドイツと日本は似たような社会的、政治的な課題を抱えています。人口構成の変化という問題ひとつを見ても、ドイツと日本が近い将来、研究開発の技術者不足に見舞われることは必至と見られています。ドイツもまったく同様ですが、日本の将来は技術革新力で決まると言っても言い過ぎではありません。とにかく日本は、ドイツの学術界・産業界にとって非常に魅力的なパートナーなのです。

 

とくに重点が置かれる分野/部門はどこでしょうか。

「DWIH東京」の活動の重点は、日独協力で大きな比重を占める自然科学と工学の分野に置かれています。例えば、環境技術、新素材開発、ナノテクノロジー、神経科学、ロボット工学といった分野ですが、さらには航空宇宙技術も重要分野のひとつに数えられます。ことしは、「DWIH東京」は健康/医療関係技術を重点テーマに取り上げました。この分野の様ざまなテーマについて討議する日独シンポジウムを、すべてのパートナー機関を招いて、今秋、開催する計画です。シンポジウムには、医療技術に限らず、人文科学、社会科学を含むすべての学術研究分野の専門家の方々にも参加して頂くつもりです。

 

ドイツと日本の研究環境はどのような共通点がありますか。

ドイツと日本の研究・技術革新体制には驚くほど多くの共通点があります。国内に大学、研究機関、それらに匹敵する高水準の研究開発を行っている技術系企業が多数ある、という点で両国はとてもよく似ています。研究開発への投資は、両国ともに最優先事項です。また、エクセレンスを結集して研究成果を速やかにイノベーションにつなげるために、両国とも産業クラスターの形成に力を入れています。さらに日本とドイツは、R&D(研究・開発)全体に占める企業内研究開発の割合が非常に高く、まさにここに日独産学連携のネットワーク化を大きく促進させるポテンシャルが眠っています。

 

研究機関や企業は競争もしています。競争と協力はどのように両立できるでしょうか。

もちろんドイツと日本も、技術開発や企業の市場シェア競争をはじめ、多くの面でライバル関係にあります。しかし、競争と協力は相容れないものではありません。日本が未来テクノロジー分野の模範であるからこそ、日独の共同研究開発の未来も希望に満ちているのです。研究界は、もうかなり以前から「協力と競争」を前提として活動しているのであって、それはドイツ・日本間の協力・競争関係に限りません。しかし、材料研究や医薬品開発などで日本の機関と協力している多くのドイツ企業の関係者の声を聞けば、このようにお互いを強く意識していることが大きな障害になっていないことは明らかです。ドイツの企業や研究者は、日本との共同研究作業は信頼感に満ちていた、と折に触れ強調していますから。

 

つい3年前、日本の大学・研究機関との協力促進を目的とする「ドイツ・イノベーション・アワード(ゴットフリード・ワグネル賞)」が創設されました。この賞をきっかけに、何か新たなネットワークやパートナーシップが生まれていますか。

ドイツ・イノベーション・アワードは大好評を博しています。日本の大学・研究機関もさらなる国際化を求めており、また、財源の縮小を背景にこれまで以上に産業界から資金を受け入れなければならない状況にありましたから、今回のドイツのプロジェクト開始はタイミングがぴったりでした。外国の企業との協力関係の構築・拡大に興味を持っている日本の大学は、ドイツ・イノベーション・アワードに関する情報を広め、幅広く参加者を募れるよう積極的に協力してくれています。ドイツの企業と受賞者や応募者が共同で取り組む研究プロジェクトもすでに幾つか生まれています。非常に喜ばしいことです。

09.03.2011
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