土曜日, 26.05.2012 22:25
 
 

地域

ドイツのノウハウを活かした建築

日本では、エコ建築やパッシブハウスへの関心が高まっている。これには、ドイツからの技術移転による貢献も大きい。詳細

東北地方 太平洋沖の 海底を調査

共同で震源域の海底を調査:日独の研究者は、巨大地震の発生過程を解明するため、日本の太平洋沖で調査航海を行った。詳細

ふたつの原発事故を比較

各国研究者が「フクシマ」とチェルノブイリを考察した詳細

エネルギーシフトのチャンス

日本再生可能エネルギー総合研究所代表の北村和也氏が、日本におけるエネルギーシフト、ドイツから学べる点などについて、インタビューで語る。詳細

最新情報

ドイツの各大学で日本週間(Japan Woche)を開催

研究者や学生による講演会、ワークショップ、情報フォーラム、会議、文化イベントなどが開催され、ドイツの各大学で4月半ばに日本週間がスタートしました。詳細

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技術革新とエクセレンス

極微の世界を 探検

マックス・プランク協会の知の世界が捉えたセンセーショナルな映像を見ながら、科学研究の最前線に迫る。

効果抜群の極小カプセル
一見、モダンな静物画のようだが、実はこれは、人体深部での展開が想定される1場面。電子顕微鏡写真に写っているのは、ポツダムのマックス・プランク・コロイド・界面研究所が開発したインテリジェントなマイクロ輸送システムで活躍する、高分子でできた中空のカプセルで、その大きさはわずか数マイクロメートルだ。同システムは、粒状にした薬の有用成分を封入した極小カプセルを体内に送り込み、標的となる、がん細胞などの異常細胞の近くに到達すると、カプセルが開いて薬が放出される、という仕組みである。カプセル表面には、異常細胞を特異的に認識する分子が形成されていて、これが異常細胞と結合する。カプセルの表面は、温度など周囲の状況に反応して性質を変え、封入した薬をしっかり閉じ込めたり、あるいは狙った場所に到達した後初めて溶けて壊れ、治療薬を放出するように設計されている。

ポツダム、マックス・プランク・コロイド・界面研究所

電子のダイナミクスを解明
「緑色の中心点から湧き出た大きな流れが、あらゆる方向に広がっていく」━━左の画像の電子からは、まさしくそんな印象を受ける。電子は、二次元電子ガスの状態で、点状の起点からあらゆる方向に進んでいるのだ。こうした電子のダイナミクスをコンピュータでシミュレーションしたのは、ゲッティンゲンのマックス・プランク動態・自己組織化研究所。この現象が繰り広げられる架空の場所は、厚さわずか数ナノメートルの特殊な半導体素子の電子伝導層の内部である。負の電荷を帯びた電子が同じ出発点から、同じ速度でスタートしながら、ばらばらの方向へ広がっていくのは、進む方向に微細な障害があると電子はそれを回避しながら進む、つまり流れが分岐するからである。マイクロメーター領域での電子の流れを明らかにするこうしたシミュレーションが、新しい半導体素子の開発に役立つことを研究チームは期待している。

ゲッティンゲン、マックス・プランク動態・自己組織化研究所

好中球細胞外トラップ
細菌をノックアウト:写真が示すように、体に侵入した細菌やウイルスなどの異物(赤で示す)は、好中球が形成する網状構造(黄色で示す)に捕獲され、網に付着したまま、死滅する。ベルリンのマックス・プランク感染生物学研究所は、免疫と呼ばれる、ヒトがもつ高度に発達した生態防御能力を、走査型電子顕微鏡で撮影したこの画像(擬似カラー)できわめて分かりやすく示している。白血球に含まれる成分である好中球には、病原体を包囲して細胞内に取り込み消化する「貪食作用」があることは、以前から知られていた。しかし、網状の細胞外トラップを放出して細菌を捕獲し、細胞外で殺す能力があることは新しい知見であり、きわめて興味深い発見として注目を集めている。

ベルリン、マックス・プランク感染生物学研究所

暗黒物質の世界
左は、宇宙全体に分布する暗黒物質による架空のネットワークと明るく光る個々の銀河を結合させた、コンピュータ・シュミレーションによる画像である。暗黒物質(ダークマター)とは、宇宙にある星間物質のうち自力で光っていないか光を反射しないために光学的には観測できないとされる仮説上の物質である。ガーヒンクにあるマックス・プランク宇宙物理学研究所は、暗黒物質の宇宙での分布の様子の可視化を試みており、宇宙構造の形成および天体の運動や形成におよぼす暗黒物質の影響の解明と取り組んでいる。同研究所のコンピュータモデルでは、輝度差は暗黒物質の質量密度の分布、色の濃淡は粒子速度の分布を明らかにするものとなっており、これを見ると、暗黒物質の粒子の重力とダイナミクスが、宇宙構造の多様性と複雑性の形成にいかに深く関わっているかが分かる。

ガーヒンク、マックス・プランク宇宙物理学研究所

セラミックス材料の強度を向上
細長い、針状の粒子が互いに絡み合う組織をもったセラミックス材料の強度特性は、きわめて優れていることが分かった。シュトゥットガルトのマックス・プランク金属研究所(現マックス・プランク・インテリジェントシステム研究所)が、セラミックス薄片の試料を透過型の偏光顕微鏡で観察すると、ほぼ同等の大きさをもつふたつの粒子(白と青)が見える。それぞれの粒子の基底面は互いを包み込むように成長しており、そのことがセラミックスの強度向上につながっていると考えられる。

シュトゥットガルト、マックス・プランク・インテリジェントシステム研究所

結晶表面の原子配列
まるで真珠の鎖の螺旋階段を下りていくような気持ちにさせるこの画像は、見るひとを極微の世界に誘う。コンピュータを利用した理論計算法などで、単結晶表面の構造の可視化に成功したのは、マックス・プランク協会傘下のフリッツ・ハーバー研究所(ベルリン所在)だ。結晶表面の原子配列の解析は、単結晶の物理化学的特性を理解するうえで、きわめて重要である。ハーバー研究所は、可視化と分析のために、特殊な可視化ソフトウエアを開発した。画像は、パラジウム単結晶の最上層を示している。表面の原子配列が規則的で美しいという印象を強調するために、被写体は意図的に歪めて撮影された。その結果、真珠の連なりの歪められた面は、画像中心部で、螺旋階段を下りていくような、無限遠に続いていくような印象を与えている。

ベルリン、マックス・プランク協会傘下フリッツ・ハーバー研究所

10.01.2012
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